エロス断想

猫と美人を描いてゐます

今日はゴミゼロの日

百年の孤独」三分の二まで読み進める
この世界的に有名な長編小説が、「ブッデンブローク家の人びと」に匹敵する傑作なのか、だらだらと長いだけの冗漫な駄作なのか、私は決めかねてゐる
彼女はピエトロ・クレスピがこれ以上は我慢できないと言ひ出すのを待った。その時は八月の鬱陶しい長雨とともに訪れた。ピエトロ・クレスピは彼女の膝から刺繍の籠を取り上げ、その手を強くにぎりしめて言った。「これ以上待たされるのは嫌だ。来月、結婚しよう」氷のやうな手で触られてもアマランタは震へはしなかった。すばしこい動物のやうに自分の手を引っ込めて、ふたたび刺繍を始めた。「ばかなこと考へないで、クリスピ」と微笑みさへ浮かべて答へた。「死んでもあなたと結婚なんかしないわよ」


今日は少し機嫌がよい
三ヶ月ほど前からだったらうか? 時折り訪れる公園のベンチに、爽健美茶のペットボトルが捨てられるやうになったのは。それは行く度に増え、隠すやうに茂みに突っ込まれたり、あちらこちらに放り投げられてゐた。私は馬鹿のやうにそれらを拾ってはゴミカゴに捨ててゐたのだが、拾っても拾っても追ひつかない。アタマにきたので、ペットボトルを拾はずに、ベンチのそばに集めておくことにした。十本ほど集まったころ、ペットボトルは増えなくなった。さうして今日、一週間ぶりにそこへ行ってみると、ペットボトルは一本残らず消えてゐた。さういふわけで、今日は少し機嫌がよいのです。


彼女はのびのびと・・・
小鳥のやうに自由に飛び回ってゐるのだらう
私は独り・・・
煮こごりのやうに死んでゐる


■三州生桑HP■
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