エロス断想

猫と美人を描いてゐます

汝、人の子よ

終日薄曇り


パラグアイの作家ロア・バストス(1917-2005)「汝、人の子よ」読了
日本語訳で読むことのできる、唯一のパラグアイ文学
南米パラグアイの作家がスペイン語で書いた小説を、日本語で読めるといふのは奇跡のやうな気がする
常に戦時下にあるやうな不安定な国が生み出した作家の小説を、戦争を知らない私が読んで感動できるといふのも奇跡的だ
やはり、戦争といふのは、古今東西、人類共通のロマンであり、究極のエロスなのだらう
「駅の正面には樹木の生ひ茂る広場があった。あちこちでスプリンクラーが水を噴き出してゐた。私は花壇の所に走りこんだ。喉がすごく渇いてゐたので水を飲まうと、とある蛇口に身をかがめた。その瞬間、顔を横にして空を見上げる格好だった私は、余りにも予期しなかったものを見て思はず息をつまらせた。広場の隅の方で、一人の背の高い白い服を着た女が、立ったまま小鳥を食べてゐたのである。小鳥たちは舞ひ降りてきて楽しさうに囀りながら、自分から彼女の口の中に入ってゆくのだった。私にはそれらの小鳥の骨が、バリバリと音を立てるのが聞こえるやうな気がした」


民主主義こそが唯一絶対の政治形態であると標榜することは、すでに宗教の域に達してゐる
自爆テロと同レベルの戯言だ
人の数だけ政治がある
つねに新しい政治形態を摸索せねばならない


元気の無い野良猫の首根っこをつまんでやったら、グルルルルと気持ちよささうに鳴いた
ツボなのか知ら


私の詩を読んでくれる人と、お付き合ひします


■三州生桑HP■
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