エロス断想

猫と美人を描いてゐます

山椒魚戦争

sanshu_seiso2007-04-12

街の中心部の歩道で、とてもキレイな女性が立ってゐるのを見る
何をしてゐるのかと思へば、或る消費者金融会社のティッシュを配ってゐるのであった
もうガッカリ
彼女を見ても、一句の詩も浮かばなかった
美しいだけの女性からは、インスピレーションのかけらも得られない
ひょっとしたら、彼女はそこの社員ではなく、派遣のモデルかも知れないな
消費者金融業者の考へさうなことだ


カレル・チャペック(1890-1938)「山椒魚戦争」読了
チェコスロバキアの風刺作家
中編であるが、あまりに面白かったので二時間足らずで読めた
ブラックなギャグ満載の傑作風刺小説
「ハンスは教養あふれる山椒魚で、学術分野に非凡な才能を示し、ヒンケル博士の実験助手として極めて有能だった。我々は夜を徹して彼と語り合ひ、その飽くなき知識欲に感嘆したものだった。しかし、筆者が数度にわたり実施した開頭手術の結果、失明するにいたったため、ハンスの処理を余儀なくされたのである。ハンスの肉はいささか水っぽく、歯ごたへの点でも不満が残ったものの、不愉快な結果はもたらさなかった。戦時下において山椒魚の肉が代用牛肉となりうることは疑問の余地がない」


本屋にて、トマス・ハリスの新作「ハンニバル・ライジング上下巻」が平積みされてゐたので、少し立ち読み
日本人が登場する模様
この人は書くたびにつまらなくなる
1975年のデビュー以来、30年間で書いたのはたったの5冊
その全てが映画化されて、大ヒット
謎につつまれた作家


画像は、近所のアイドル犬「トム」
いつも泣きさうな顔をしてゐる
人懐こい女児に話し掛けられる
「この子、トムって言ふんよ! 知ってる?」
「うん、知ってるよ」
「それでねぇ、この子ねぇ・・・」
「・・・」
可哀さうだが、無視する


道端で、母親と4歳ぐらゐの男の子が遊んでゐるのを見る
男の子は異様に真っ赤な、むくんだ顔をしてゐて、鼻に細いチューブが入ってゐた
アレルギー性の喘息なのかも知れない
通り過ぎると、トコトコと私に付いてきた
トコトコ、トコトコ、トコトコ・・・どこまでも付いて来る
振り返って見ると、男の子の笑顔は太陽のやう
私もニッコリと微笑む
若い母親は「すいません」と嬉しさうに言った




「明日死ぬつもりで生き、永遠に生きるつもりで学べ」マハトマ・ガンジー



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