エロス断想

猫と美人を描いてゐます

賭博者

ドストエフスキー「賭博者」三時間足らずで読了
没落貴族の悲喜こもごもを描いた、チェーホフ的な喜劇としても読めるし、ひねくれたラブストーリーとしても読める
「彼女は、私が狂ほしいほど彼女を愛してゐることを知ってゐるし、その熱情を語ることさへ私に許してゐる・・・そして、言ふまでもなく、自分の侮蔑を表現するには、『つまり、あたしはそれほどまで、あんたの気持ちなんか気にしてないってわけ。あんたがあたしに何を言はうと、あたしにどんな気持ちをいだかうと、あたしにとってはまるきりどうってことないのよ』」
しかし、恐るべきはバクチ打ちの心理なり
ドストエフスキー自身の実体験らしい
私は全くバクチはしないけれど、もう病気ですね、コレは


ドストエフスキーと言へば、現在書店に並んでゐる新潮文庫の「カラマーゾフの兄弟」の帯コピーを、芥川賞作家の金原ひとみ(23)が書いてますね
私は彼女の作品を読んだことは無いのですが、なかなか興味深いことを言ってゐる
http://book.asahi.com/mybook/TKY200605090310.html
つまり、恋人に薦められたのですね
「俺と対等に話をしたいんだったらこれくらゐ読んでおいてもらはないと困る」
カッコ良いではありませんか
こんなこと言ふ男ってゐるんだなぁ
確かに、人類史上最も優れた小説を一つ挙げよと言はれたら、私も「カラマーゾフの兄弟」を推します


「詩を理解しない女は美しくない」寺山修司




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