トオマス・マン「ヴェニスに死す」読了
大傑作なり
美少年タッジオの首のことを、マンは「エロスの神の首」と表現してゐる
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「きみはそんなふうに微笑んではいけない。いいかね、誰にだって、そんなふうに微笑んで見せるものではないのだよ」
「わたしはおまへを愛してゐる」
「あの美しい少年の部屋の戸口に足をとめると、全く酔心地になって、額を戸の蝶番(てふつがひ)の所に押し当てたなり、長いことそこから離れることができなかったのだ・・・こんな気違ひじみた恰好のまま見つかってつかまへられる、といふ危険ををかしながら」
「タッジオは病身なのだ。たぶん長生きはしないだらう」
「恋する男の例にもれず、彼は気に入られることを願った。そして気に入られることが不可能かも知れぬといふ、にがい不安を感じた」
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私がジョギングしたり、体を鍛へたりする理由は、三島的といふよりも、アッシェンバッハ的だな
■三州生桑HP■
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