2006-09-10 礼 ショッピングセンターのベンチに女の子があぐらをかいて座ってゐた。 一心不乱に携帯電話にシールを貼ってゐる。 中三か高一ぐらゐの可愛らしい子だった。 育ってきた環境が悪いのだらうな。 「女の子が、人前であぐらをかいて座るもんぢゃないよ」と、尊敬できる大人が、或いは恋人が諭(さと)せば、聞かない子はゐない。 さう思ひながら、彼女の所作をながめてゐたら、一瞬目が合った。 彼女は恥づかしげに、前髪を触りながら目を伏せた。