エロス断想

猫と美人を描いてゐます

小説

美少年神(一)

少年を拾った。とても美しい少年を。 走り梅雨のしめやかな雨がそぼ降る深更、少年は街燈の下に胎児のやうに丸くなって寝転んでゐた。暗色のセーターもジーンズもスニーカーも、ぐっしょりと重たげに濡れてゐる。 具合が悪いのかと声を掛けると、むくりと起…